DesignSpark Mechanicalでペットボトルを描く方法の続きです。
前回でキャップの大まかな形ができたので、あとはネジ山と滑り止めのギザギザを作っていきます。
再びZ軸と平行な面でスケッチします。オフセットカーブでキャップの縁の上端から2mmのところに線を引きます。さらにそこから1mmずつ2本、縦にも1mm内側に1本線を引いて、全て作図線にします。
作図線を基準にして、直線を繋いで三角形を作ります。これがネジ山の断面になります。三角形よりも台形にした方が本物っぽくなりますが、オーバーハングがキツくなります。
プルで回転を選び、中心軸を選択したら、回転オプションの「ヘリカルカーブ」にチェックを入れて、ピッチを3mmにします。ピッチをうまく編集できないときは、一度適当にプルしてみてからピッチを書き換え、Undoでプルを取り消すといいです。
先ほど描いた三角形をひっぱって、高さが6mm程度、ちょうど2周するくらいまで伸ばします。
次はギザギザを・・・と思ったけれども、本物のキャップはギザギザの下に滑らかな縁があるので、それも作ることにしました。端面をプルで1mm下げます。
端面と同じ面に31mmの円を描きます。
オフセットカーブで0.8mm内側にもう1つ円を描きます。
左側のストラクチャービューでSolidのチェックを外して、いま描いた線だけにしてから、プルで1mmの厚みにします。
中にできた面は必要ないので、削除します。
さっき非表示にしたSolidを表示させて、いま作った輪っかと両方を選択して「組合せ」で1つのSolidに合体します。
合体させた輪っかの外側の段差のエッジだけを選択して、移動でZ方向に0.5mm下げて段差を斜めにします。
内側の段差も0.5mmずらして斜めにします。
この作業はプルで面取りでもいいのですが、面取りは面の角度が45度に限定されてしまいます。このようにエッジを移動すれば、好みに応じて好きな角度に調整することができます。
縁の下段のエッジを選択して、スケッチモードにします。
「スケッチに投影」で側面のエッジと、縁の外側を投影します。
投影した線を作図線にしてから、外側の線から外にはみ出ないように、内側の線より内側にめり込むように四角を描きます。これが側面のギザギザの山になります。
キャップ本体を非表示のまま、いま作った四角形を13mmほどプルします。
キャップを表示させて、内側のエッジが飛び出ないところまでプルで調整します。このときプルのオプションで「マージなし」を選択しておきます。
外側のエッジだけを選択して、Z方向に適当にズラしてから、プルでR5くらいに丸めます。
いま作成したギザギザの山を選択してから、移動を選び、オプションで「パターン作成」にチェックを入れます。キャップ本体を表示させて、移動用の矢印の真ん中にある黄色い球体をキャップ天面までドラッグします。これで回転軸がキャップ中心になります。
この状態で青い回転矢印をドラッグすると回転パターンが現れるので、角度の欄に180と入力します。
数の欄を75に修正します。すると角度の欄が自動的に修正されて、キャップの周り全てにギザギザができます。
これでキャップの作図は完成です。エクスポートオプションから3D印刷を選び、STLファイルで出力します。
このとき保存ダイアログのオプションを押して、解像度を高にしておきます。
実際に3Dプリンターで出力したのがこちらです。
ペットボトルは規格化されていないので、メーカーによって微妙に寸法が異なります。今回の記事で使用した寸法は飲み口が透明で、ネジ山が4ヶ所切れているボトルのものです。飲み口が白い樹脂のボトルにはハマりませんでした。