3Dプリンターでペットボトルのキャップを出力するのが一部で流行っていて私も出力してみたのですが、せっかくだからモデルデータも自分で作ってみようと思い、無料3D CADのDesignSpark Mechanicalで作図してみたところ、これは3D CADの練習に適した題材だと感じたので、手順をまとめておきます。
基本的にボトルとキャップをノギスで計って寸法を決めますが、最終的に3Dプリンターで出力するので肉厚に気を付けます。壁の厚みが一層だけになってしまうと極端に強度が落ちるので、最低でも二層分の厚みが必要です。私の場合は0.4mmノズルを使っているので、0.8mmとなります。
側面に滑り止めのギザギザを付ける際に、元の外周にへこみを付けるように作図する場合は気を付けないと0.8mmを下回ってしまうので、今回は出っ張りを付ける方法で作ります。
まずは外径となる30mmの円を描きます。
プルで14.4mmの円柱にします。
上面を選択した状態でスケッチモードにし、オフセットカーブで外周から0.8mm内側に円を描きます。
プルで内側の円を12.4mm凹ませます。
底の面を選択して25mmの円を描きます。
プルで円の外側を1mm高くします。
断面モードでZ軸と平行な断面にします。カーソルを座標軸の矢印のZ軸と重ねるとZ軸と平行な面になります。Z軸と平行ならば、XZ平面でもYZ平面でもかまいません。
オフセットカーブで中心軸から10.8mmの平行線を引きます。この線はボトルの口の内径になります。
いま引いた線から、内側に0.8mmの平行線を引きます。
外側にも0.1mmの平行線を引きます。
底の面から5mmの平行線を引きます。
いま引いた線4本とも選択して右クリックメニューから「作図線とする」を選びます。
作図線に沿って左側、下側、右の内側の線の下1mmくらいにコの字型に線を引きます。ここでは見やすいように今まで描いた3D図形を消していますが、そのままでも構いません。
スプラインで左側の線の上端から、右側の線の上端に線を引きます。このとき右側の線を選択する際にAltを押しながら選択して滑らかに接続します。
選択ツールでいま引いたスプライン曲線を選択すると、曲線付近に4つの制御点が現れるので、上から2番目の制御点だけを右に引っ張って、0.1mm外側の線と曲線が重なるまで曲げます。
プルで回転を選んで、中心軸を選択します。
さきほどスケッチ面で描いた面を選択して、そのままマウスをドラッグしてグルッと一周させます。
先ほど使用した作図線はもう必要ないので削除します。
底にできた溝のエッジをだけを選択します。1つ選択した後に、Ctrlを押しながらもう片方を選択すると、2つとも選択できます。
プルでフィレットにします。マウスをドラッグしてフィレットが出来始めたら、キーボードのスペースを押すとフィレットのRを数値入力できるので、0.7にします。
外側のエッジも1mmのフィレットにします。
これでかなりキャップっぽくなってきました。
あとは内側にネジ山を作るのと、側面に滑り止めのギザギザを作りますが、さすがに長くなったので次の記事にします。