3Dプリンターの調整で最も重要なのが、ノズルの動く平面とベッドの平面の平行度の調整です。
一般的にベッドの平行度の調整は、ノズルとベッドの間に紙を1枚入れて、ノズルを下げた状態で紙が挟まる位置をZ=0として、ベッドの各点で同じように挟まるようにするという方法で行います。
この方法でも十分な精度が出ますが、紙を挟んだときの感触という曖昧なものに頼っているので、まだ誤差がかなりあります。
より精度を出すためには、ダイヤルゲージ等を使って測定しながら調整するのが普通ですが、今回は特別な測定器具を使わずに高精度で調整する方法を紹介します。
まず、紙を挟む方法で調整を済ませて、プリントできる状態にしておきます。
Slic3rのPrinter SettingsでZ offsetをベッドに定着するギリギリまで増やします。ノズル径やフィラメントにもよりますが、うちではだいたい0.2mmくらいです。
スライスピッチ0.2mm程度で、通常よりはかなり速度を落とした状態で、面の塗りつぶしが多いものを1層だけ出力します。私はデルタ機なので、X,Y,Zタワー方向に伸びるテトラポッドみたいな形を出力しました。
出力されたものを光に透かして見ると、高くなっている方向に隙間ができています。この場合はYタワー側に隙間が出来ているので、Yタワーのエンドストップを少し下げます。また、全体に隙間ができるように、Z offsetも少し増やします。
これを繰り返して、全体にできる隙間が均一になるまで調整します。上の形状では、途中でトラベルが発生するので、最後の追い込みは六角形で行いました。
ここまで調整するのに16回繰り返しました。
ダイヤルゲージのように誤差が直接数値で分かるわけではないので、勘で修正して出力して確認の繰り返しになり手間がかかりますが、調整にかかるコストは数十円程度で済みます。