2014年11月13日

中華Kossel完成!

中国製デルタ型3DプリンターキットHe3D DLT-180(中華Kossel)が完成しました。(実際は完成してから既に2週間経っていますが…)

He3D DLT-180完成

キットの組み立て説明は、電気系に関してはほとんど情報がないも同然でしたが、制御基板はごく一般的なRAMPS1.4そのものなので、他のプリンタの制作マニュアルが参考になりました。

ただ、DLT-180にはファンが2つあるのですが、この配線をどうすればいいのかで少し悩みました。キットにはファンのためのケーブルもコネクタも付属しておらず、組み立てマニュアルでもファンの存在は忘れられているので、必要なケーブルは自分で用意する必要があります。

エフェクターに付けるファンの電源は、ターミナルのD9(ホットエンドの電源の隣)から取ります。RepRapWikiの配線図では、ここは2番目のヘッドのヒーターになっていますが、シングルヘッド機ではここがファンの電源になります。

エクストルーダーのモーターに付いているファンは、12V-AUX(Xモータードライバの横にある2ピンのコネクタ)に繋ぎました。ここは電源が入っている間は12Vの電圧が常時出ています。

動作確認とキャリブレーション

組み立てが終わり、ドライバや制御ソフトのインストールが終わったら、キャリブレーションを行います。ただし、最近のKosselはオートレベリングが付いているせいか、現在のファームウェアでのキャリブレーションに関する説明はほとんど見つかりませんでした。ネジを回してエンドストップの調整をしたり、ファームウェアをコンパイルし直してパラメータを調整するのは初期の頃のやり方で、今はもっと簡単になっています。あまりにも情報がなかったので、簡単に手順を書いておきます。

まず最初に確認するのはエンドストップスイッチが正常に動作するかで、Repetier-Hostの「プリンタ操作」タブのG-Codeという欄に「M119」と入力します。するとプリンタからエンドストップスイッチの現在の状態が返ってくるので、スイッチを順番に押しながら動作を確認します。(Repetier-Hostのログウインドウが表示されていなければ、ログ表示切替を押してログウインドウを出しておく)

次はモーターの動作確認をします。キャリッジを一番上よりも少し下にセットしておいて、Repetier-Hostのプリンタ操作からホームボタンを押します。このときキャリッジが下に動いた場合は、急いでスイッチを切ります。ホームボタンを押すとキャリッジは上に動くはずですが、下に動いた場合はモーターの配線が逆なので、コネクタを反対向きに挿しなおします。キャリッジのベルトを固定してる側が右か左かで配線が逆になります。キットの組み立て説明は、途中まで右側で固定しているのに、途中から左側で固定するパターンに変わっているので、私は序盤の向きで組み立てて、配線は終盤の基板写真を参考にしたら逆方向に動きました。

ホームボタンを押してキャリッジが上に移動し、エンドストップスイッチを2回押して止まればモーターとエンドストップの配線はOKです。このときエンドストップスイッチとモーターの対応が合っていないと、スイッチに向かってキャリッジが突っ込み続けるので、すぐに電源を落とします。私は1回やりましたw

キャリブレーションは、この動画を参考にしました。

mini Kossel Calibration using Repetier FW

パラメータを変更するたびにコンパイルしてた時代とは違い、いまはRepetier-Hostからファームウェアのパラメータが編集できます。エンドストップスイッチの位置も、ファームウェアでオフセットを設定するだけで、物理的にスイッチの位置を調節する必要はありません。(Johann氏のオリジナルのKosselでは既にエンドストップ調整ネジが無くなっている)

キャリブレーション手順を簡単に説明すると、まずファームウェアのZmaxを大きめに設定しておいて、Xタワーになるべく近い位置でヘッドを下げていき、紙(名刺くらいの厚さがいいがコピー用紙でもいい)にヘッドが触れるまで下げます。紙を動かして軽く抵抗感を感じる高さが分かったら、Zmaxを現在のZ値の分だけ減らします。一度ホーミングしてからZ=0の高さまで下げて、さっきと同程度の抵抗を感じるのを確認します。

このときの紙のこすれ具合は自分で好きに決めていいです。重要なのは全ての場所で同じ状態にすることで、最終的な高さの最適値は平面出しが終わってから微調整するので、この段階では適当でいいです。

Xタワーで調整が終わったら、次はYタワーの近くで試します。ただし、ここでは高さの調節はZmaxではなく、Tower Y endstop offsetで行います。この値はモーターのステップ数なので、ミリからステップへの換算が必要ですが、DLT-180では100ステップで1mmです。また、この値はマイナスには設定できないようなので、X endstopのoffsetに最初から少し大きめの値をセットしておいて、マイナス方向にも余裕を作っておきます。(動画で最初にXのendstop offsetに800を入れている)

Zタワーでも同じようにendstop offsetの調整をしたら、またXタワーに戻って全て揃うまで何周も繰り返して調整をします。デルタ機はヘッドの位置決めに3つのモーターが全て影響するので、1つのモーターを調整すると全ての場所で位置が狂ってしまいます。できるだけ各タワーの近くで調整することで、繰り返し回数を減らすことができます。(タワーに近くほど他のモーターの影響が少ないため)

3つのタワー直下で高さが揃ったら、最後にX=0,Y=0のセンターで高さを調節します。私はここまでの調整だけでセンターも高さが揃ったので、これで終了しました。アームの実際の長さとファームウェアの設定値に誤差があると、ヘッドが水平に移動せずに弧を描いてしまうので、センターの高さが揃わない場合はその辺を調節すればいいと思います。

ここまでできれば、Repetier-Hostに適当なモデルを読み込んでドライ運転でヘッドが動くのを確認できます。

次にエクストルーダーの調整をします。ただし、エクストルーダーはヘッドが150度以上にならないと動かないようになっているので、Repetier-Hostのプリンタ操作からホットエンドのスイッチを入れます。

私のエクストルーダーは、送り出しと早送りは動くのに、巻き戻しは動かなくてしばらく悩みました。配線を疑ったり、ギアの噛み合わせを疑ったりしましたが、原因は電流不足でした。ステッピングモーターは回転が速くするほどトルクが減るのですが、巻き戻しは早送りよりも速いスピードで回すのでトルクが不足していました。一度も巻き戻しができていなかったのでそんなに速いとは思わず、早送りが出来ているのでトルク不足は疑っていませんでした。

モータードライバの半固定抵抗で電流を調整できるので、右に回して電流を増やしたら巻き戻しもできるようになりました。この調整を電源を入れながらやる場合は、うっかりドライバーで他の部分に触れてショートすると基板を壊してしまうので、本当は絶縁ドライバーが欲しいところですが、意外と高いので普通のドライバーでやりました。

これでプリントの準備完了ですが、ヘッドの高さ調節をコピー用紙で行った場合は、高さが低すぎると思うのでZmaxを0.1mmほど減らしておくといいです。何かプリントしてみて、1層目でトラベル(ヘッドの空移動)のときにプリント済みのエリアでガリガリと激しく擦るようなら低すぎます。3層目以降くらいの擦れ具合を参考にして、それよりは少し擦る程度にZmaxを調整します。あまり高くすると1層目が定着しにくくなります。

He3D DLT-180のベッドには最初から青いマスキングテープが貼られていますが、私が使った3DcreatorsのPLAフィラメントは、これには全く定着しませんでした。今まで試した中でも、あれが一番くっつかなかったです。プリント用ではなく、ガラスの保護のために貼られていたテープなのかもしれません。

パーツの精度のわりに素晴らしいプリント品質

He3D DLT-180のパーツはあまり精度が高いとは言えず、ヤスリをかけまくって修正が必要だったり、私が太めのドリルで穴をさらってしまって精度的に怪しい状態でしたが、プリント品質はとても良かったです。

He3D DLT-180 プリントサンプル

過去に直交型を作った人のブログを読むと精度出しに苦労していた様子がうかがえますが、適当に組んでいきなりこの精度が出るのはKosselの素性が良いおかげだと思います。私は動きが面白いという理由でKosselを作りましたが、完成してから改めて観察すると機械的な遊びの入る余地の少なさに感心します。

実は最初の完成写真ではエフェクタ周辺が私が自分でプリントしたパーツに入れ替わっていますが、カッターでバリ取りをした以外は手直しをせずに組んであります。ドリルで穴をさらうと微妙に穴がずれてしまいますが、プリントしたまま組んでいるので、エフェクタに空いている6つの穴がピッタリ揃っています。

なぜこんなに精度のいい出力ができる機械のキットを売っているメーカーが、あんなに精度の低いパーツを売っているのか疑問ですね。エクストルーダーは組み立て済みでしたが、ひたすら手作業で削った跡が見られ、現物合わせで調節しているようでした。3Dプリンターはデータ上で3mmの穴が出力時に3mmにはなりませんが、出力する機種に合わせて3.4mm等にデータを修正しておけば、プリンターの精度さえよければ毎回きっちり3mmの穴を作ることはできます。そういう修正をせずに、出力されたものを毎回削って調節しているのはマヌケだと思います。

2014年11月13日 【3Dプリンター】 | コメント(1) |

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この記事へのコメント

当たりを引いたのだと思います。
検索ワードや訪れた人のコメントを読むと、基板だったりモーターだったり部品の精度そのものだったりと問題を抱えているようです。
当方はPrusa i3xを使用していますがZ軸がx軸y軸と垂直でないようで、大きめの部品を印刷するとうまくはまらないことがありますね。
アクリル板をレーザーでカットしているようですが目視でわかるほど切り口が斜めっています(-_-)影響が出ないような設計になっていますがやはり....
Posted by 推測の域を出ませんが at 2016年01月11日

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