2010年05月14日

F1のサスペンション - プッシュロッドvsプルロッド

昨年、F1のレッドブルレーシングチームが20年ぶりにプルロッド式リアサスペンションを復活させたというニュースがありました。今回はそのプルロッド式サスペンションとは何なのかという話です。

F1や多くのレーシングカーのサスペンションは、ダブルウィッシュボーン式サスペンションを使用しています。ダブルウィッシュボーン式サスペンションとは、車体・上下2つのアーム・アップライト(タイヤが取り付けられる部分)で四角形を構成し、それが平行四辺形のように動くサスペンション構造です。

 F1サスペンション

上側のウィッシュボーンをアッパーアーム、下側をロワアームと言います。

上下のウィッシュボーンだけだとタイヤが自由に動いてしまうので、スプリングで上下位置を固定します。タイヤが露出しているF1では、スプリングが外にあると空気抵抗になってしまうので、スプリングはボディの中に入っています。このスプリングとアップライトを繋ぐロッドがプッシュ/プルロッドです。上の写真でウィッシュボーンの対角線方向に伸びている斜めの棒がプッシュロッドになります。

プッシュロッドは、タイヤが持ち上がるときにサスペンションを押す方向に働くロッドで、ハの字型になります。

プッシュロッド

プルロッドは、引く方向に働くロッドで、逆ハの字型になります。

プルロッド

プッシュロッド式サスペンションは、スプリング等がマシンの高い位置にあり、逆にプルロッド式サスペンションは低い位置にあります。

実際にどのように動くのか、Phunを使って動画にしてみました。

プルロッド式のメリットは、スプリング等のパーツが低い位置にくるので重心が低くなる、引っ張り方向の強度だけあればいいのでロッドを細く・軽くできる等があります。

逆にプッシュロッド式は、圧縮方向の力に耐えないといけないので曲がらないようにロッドを頑丈にする必要があります。ただし、プッシュロッドの方が整備性は良いようです。

現在のF1マシンは、フロントノーズの下から空気を取り込んで、リアのディフューザーに流す必要があるので、マシン下部にスプリングを設置する必要があるプルロッドはフロント部分には使われていません。

リアサスペンションも、レッドブル(と兄弟チームのトロロッソ)以外はプッシュロッド式を採用しています。レッドブルがプルロッドを採用したのは、マシンのリア部分を絞り込んで空力性能を稼ぐ目的があります。

昨年一部のチームがレギュレーションの穴をついて二段式のディフューザーを装備してきましたが、レッドブルはリアのプルロッドのためにこのデュフューザーを採用できないのでは…とも言われていました。(結局うまく作って後半戦で装備してきた)

来年からは二段式ディフューザーが禁止されるので、リアのプルロッドを採用するチームが増えるかもしれません。

タグ:Phun F1
2010年05月14日 【雑記】 | コメント(0) |

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