2009年12月02日

再帰性反射(Retroreflection)

コンピュータグラフィックスを勉強している人ならば、鏡面反射と拡散反射という光の反射の仕方には馴染み深いと思います。しかしそのどちらでもない、再帰性反射という反射の仕方もあります。

鏡面反射

鏡面反射はその名の通り、ある面に当たった光が鏡で反射するかのごとく、正反射に近い角度で反射する性質です。ツヤや光沢が鏡面反射にあたります。特に滑らかな面で完全な正反射をすると、鏡になります。

specular

拡散反射

拡散反射は、ある面に入射した光があらゆる方向に均一に反射します。鏡面反射が見る角度(観測角)に依存して変化するのに対して、拡散反射はどこから見ても同じように見えます。

diffuse

再帰性反射

再帰性反射では、ある面に入射した光がそのまま光源の方に戻るように反射します。反射角は入射角のみに依存し、受光面がどこを向いていても同じように反射します。

retroreflection

自転車や自動車のテール部分やガードレール等に付けられている反射板が、この再帰性反射の性質を持っています。車のヘッドライトとドライバーの目線は非常に近い角度になるので、光源方向に鋭く反射する再帰性反射の性質は、ドライバーに注意を促すのに役立ちます。

また、猫などの夜行性動物の目にも再帰性反射をする組織があります。よく猫の目が光ると言いますが、本当に光っているのではなく、こちらから照らした光を強烈に反射しているので光って見えるだけです。

鏡面反射と再帰性反射は、拡散反射と比べると狭い範囲に集中して反射するので、同じ光量でも輝度が高くなります。しかし、反射する範囲が狭いので、観測角がずれると急激に輝度が落ちてしまいます。

プロジェクタ用スクリーン

拡散反射・鏡面反射・再帰性反射を上手く使い分けているものに、プロジェクタ用のスクリーンがあります。スクリーンには、マット系・パール系・ビーズ系の3種類がありますが、これらのスクリーンはそれぞれ拡散反射・鏡面反射・再帰性反射の性質を持っています。

パール系のスクリーンは鏡面反射の性質が強いので、プロジェクタの光が正反射する位置から見ると明るく見えます。天井付近にプロジェクタを設置する場合に向いています。

ビーズ系のスクリーンは再帰性反射の性質が強いので、プロジェクタの投射位置の近くから見ると明るく見えます。プロジェクタを低い位置に置いて、その近くから見るのに向いています。

主に交通安全のために使われる再帰性反射材が手元にいくつかあったので、これをスクリーンとして使用したらどうなるか試してみました。用意した反射材はほぼA4サイズで、白色と黒色の2枚です。特に黒い方は面白くて、黒いのに反射するという不思議な素材です。(拡散反射光がほとんどないので黒く見える)

再帰性反射材をスクリーンとして使用

使用したプロジェクタは前回紹介したμviewで、明るさは15ルーメンしかありません。横幅170cmくらいになるように投影しているので、A4の30倍程度の面積に相当します。

前回のA4サイズに投影した場合と比べて、30倍の面積に投影しているにも関わらず、かなり明るく見えるのが分かると思います。ただし、これだけの明るさが得られるかわりに視野角は非常に狭くて、角度が2度ずれるだけで半減、15度もずれるとほとんど見えなくなってしまいます。

これではプロジェクタが視界を遮らない位置で見るのはほとんど不可能で、スクリーンとしてはとても使い物になりませんね。



2009年12月02日 【雑記】 | コメント(1) |

この記事へのトラックバック
この記事へのコメント

眉間にプロジェクタを固定すれば安定して使えるのではないでしょうか
↓参考
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9659259
Posted by 匿名希望 at 2011年01月09日

コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。