2009年05月28日

e-IPSは低価格PCモニタの救世主となるか?

液晶パネルには大きく分けてTN、VA、IPSの3種類の方式があることは、知っている人も多いと思います。

3つの方式の特長を簡単に説明すると、次のような感じです。

  • TN --- 製造コストが安い。視野角が狭く特に上下方向が狭い。下から見上げると悲惨。
  • VA --- 製造コストはそこそこ。黒の表現が得意。テレビ用パネルに多い。
  • IPS --- 製造コストが高い。ほぼ真横から見ても大丈夫なほど視野角が広い。

ただし、PC用モニタで使われているIPSパネルは、日立が10年前に開発した技術をベースにしたもので、最新のIPSパネルは使われていません。

かつてはPC用液晶モニタはVA方式が主流で、TN方式は17インチ以下の小さいモデルのみで使われるのが一般的でしたが、徐々に大画面でもTN方式が使われるようになり、今では24インチまでもTN方式が使われています。TNが勢力を伸ばした分、VAを採用するモニタは激減し、今では普及価格帯で非TNのモニタを探すのが大変な状況となっています。

そんな中、LGがe-IPSという新しいパネルを開発しました。e-IPSはIPS方式でありながら、製造コストはTN並という夢のようなパネルです。

そのe-IPSパネルを採用した最初のモニタが、DELLから発売されました。

デル、29,800円のIPSパネル搭載22型ワイド液晶 (PC Watch)

TN方式の22型ワイド液晶モニタは20,000円程度なので、さすがにTN並とはいきませんが、このくらいなら十分競争できると思います。

そろそろモニタの買い替えを考えていた私は、今のところこれが第1候補となっています。(第2候補は三菱のRDT241WEX)

このモニタは次のような人におすすめです。

  • 縦画面で使いたい(TNを縦にすると横方向の視野角が狭くて悲惨)
  • Excelを画面いっぱいに広げて使うことが多い(TNだと画面の上と下で色が変わって見難い)
  • 動画を再生しながら寝転んで見たりする
  • 人と違う物を使ってマニアっぽい気分になりたい

今回発売になったDellのモニタは、ピボット機能もあるので縦画面にも簡単にできます。

まだ実物を目にしていないので、画質についてはよく分かりません。LG製IPSパネルでよくあるバックライトの光漏れ(黒浮き)が改善されていればいいのですが。視野角については、YouTubeにあった比較動画を見た限りでは、問題なさそうです。

私は低価格PC用モニタ用途で期待しているe-IPSですが、小型テレビ向けの需要もかなりあるのではないでしょうか。小型液晶テレビにTNパネルを使っているメーカーもありますが、大型テレビよりも小型テレビの方が設置場所に無理がある場合が多いので、TN方式の抱える視野角の欠点は致命的だと思います。視野角の広いe-IPSがTN並の価格で作れるのならば、小型のテレビはe-IPSが主流になるかもしれません。

タグ:液晶モニタ
2009年05月28日 【PC環境・周辺機器】 | コメント(5) |

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この記事へのコメント

IPSは原理上偏光板がポジティブ(無制御時に白)ですから、ネガティブモードのVAと比べると
光漏れの解消は難しいです、が、S-IPS時代と最新のH-IPS相当パネルでは偏光板の精度が明らかに改善していますので、niisakaさんが想像しているレベルの黒浮きはないと思います。
24インチのiMacより新しい世代(LM240WU4)で黒を表示させると斜めから見て多少紫がかるレベルですので、
300cdというまともな輝度で出してきているところを見る限りSamsungのS-PVA(240CS05)とほぼ同等まで改善していると思われます。

そもそもLGのS-IPS世代は500cd 700:1という非常識なスペックだったので、液晶+ポジ偏光板だけでは光を遮蔽できないのは当たり前で、目潰し評価は偏光板の精度問題によるコントラストに低さと、これをまともなコントラスト比で見るためにCRTの倍以上の明るさにしなければならなかったことによるものと思われます。

現在はIPS-α社の特許を利用してITO電極化したH-IPS相当品になってます(型番の振り方まで変えてます)。
日本で確認できる実機は1世代前のもの(12ms)が24インチのiMacに採用されてるのみですので、これに+αされたものと思ってもらえるとよろしいかと思います。
IPSパネルは反応特性がフラットで、e-IPSのGtoG 6ms≒WtoB 8ms以下ですからコントローラ段で遅延が入らない限りパネルスペック的には60fps行けるはずです。
VAやTNだとGtoGとWtoBにかなり大きな差があるので、特にVAパネルのHDTVだとOD回路が必須でしたが、このパネルではそれが不要なので仰るとおり22-30インチクラスのテレビパネルとしてはかなりの競争力があるかと思われます。
ただし、パネル自体はS-PVAやAMVAの方が安く、駆動電圧もIPS系の12Vと比べVAは5V(ちなみにTNは3.3V)ですから、消費電力的にはエコじゃないです。24インチ400cdだとシステムレベルで100W食いますから、ACアダプタで駆動させるセグメントではS-PVAやTNが残るのではないかと予想してます。
(AUOは32インチ以下のAMVAから撤退しましたんで)

いずれにせよ、思ったよりも安価でしたから20インチ台TNオンリー地獄からは抜け出せそうで何よりです。
特に外販のコントローラを買ってきて組み立てているBENqのような数を出すメーカにとってはメリットが大きいですね。
Posted by tosix at 2009年05月28日

詳しい解説ありがとうございます。
LGのIPSも、今のはITO電極になっているんですね。

気にしていた黒浮きに関してもYouTubeに動画がありました。
http://www.youtube.com/watch?v=JBomC8XcRo8
別のモニタとの比較ではないので分かりにくいですが、真正面から見たときは私が今使っているS-PVAのモニタよりも光漏れが少なそうです。
Posted by 新坂 at 2009年05月28日

DELLの2209WAとCRTで遅延を測定した記事を発見しました。
http://www.lcdreviewz.com/review_Dell_2209WA/responsiveness
PCゲーム用モニタとしても、中々優秀かもしれません。
Posted by 新坂 at 2009年06月04日

こちらに、画素をアップで写した写真がありました。
http://tszynalski.wordpress.com/2009/05/01/review-of-the-dell-2009wa/
ピクセル形状が<ではないので、やはりS-IPSではなくH-IPSベースでしょうか。
できれば、もっとアップで撮って欲しいんですが。

レビューの主観で語っている部分は参考程度にしか読んでませんけど、だいたいどこのサイトでも評判いいですね。
Posted by 新坂 at 2009年06月04日

>IPSは原理上偏光板がポジティブ(無制御時に白)
偏光板がポジティブという意味がよくわかりませんが、現在市場に出回っているIPSのほとんどは、偏光板はクロスニコル(表裏一対の偏光板の偏光軸が直交)で、液晶に電界が印加されてない状態で黒ですね。
Posted by ponq at 2010年06月10日

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