テレビゲームをしていて、1体なら弱い敵が2体・3体いると物凄く強く感じたことはありませんか?実は全く同じ敵が2体になると、その強さは単体の2倍ではなく3倍強くなります。
敵の強さというのは感覚的なもので数値で表すのは難しい要素ですが、ここでは「その敵を倒すまでにこちらが受ける被害」で評価することにします。
まず、敵Aを倒すのにかかる時間をt、その間にこちらが受けるダメージをdと定義します。
敵が1体のときにこちらが受ける被害は、当然dになります。
2体の場合はどうなるかというと、A1を倒すのにtの時間がかかり、その間A1とA2から攻撃されるので2dの被害を受けます。次にA2を倒すのに同じくtの時間がかかり、その間にdの被害を受けます。結果的に、2tの時間がかかり3dの被害を受けることになります。
1体のときはd、2体のときは3dなので、この評価方法では3倍強いことになります。同様に3体のときは6倍、4体のときは10倍になります。
ただし、複数の敵に同時にダメージを与えるような攻撃をせず、また敵の数をなるべく減らすように1点集中で攻撃することが前提になります。(2体に満遍なく攻撃すると4dの被害を受けてしまうので損)
アクションゲームの場合はここまで単純にはいきませんが(システムや立ち回りによって4倍以上にも2倍以下にもなる)、ターン制のRPGやシミュレーションゲームでは大体この評価方法が当てはまると思います。
ゲームを作る際は、この敵の数と強さは比例しない法則を覚えておいた方がいいでしょう。1体の敵より少し強い敵を用意しようとして単純に同じ敵を2体、3体にすると想定以上に敵が強くなってしまいます。
遊ぶ側も、敵の数が減れば劇的に弱くなることを覚えておくと攻略が楽になります。ただし、全体攻撃魔法のような複数同時に攻撃する手段があれば、場合によってはそちらを使った方が楽になります。